紹介します CRPS(複合性局所疼痛症候群)

此度は江戸からは少し遠いところにお住まいのK殿より
【指定難病ではないけど治療法が確立していない病気】についての情報を矢文でいただき申した。

CRPSとは

CRPSとは複合性局所疼痛症候群といって局所の小さな炎症(怪我などが原因)が起きて、神経が異常放電してしまって周りの組織(神経や血管)を巻き込んでしまうと同時に脊髄や脳にも変化が起き、あらゆる刺激を痛みと感じてしまったり、脳が痛みのみの情報になってしまって、触れられたら痛みとして感じるのに触れられた場所がわからない、特定できないという状態

になるそうでござる。

K殿は13年前、右足の上に乗用車が乗り上げてしまって、骨折は免れたが、神経を損傷したことで発病した。

ひどく痛みが強く、がん患者が使う痛み止めを使っても痛みがなくなることはなく、陣痛のほうが楽だという話もあるという。

痛みがあると自律神経(交感神経)が「怪我があるぞ!血を止めろ!」という指令を出すが、CRPS患者は怪我が治っても交感神経が指令を出している状態で血管が縮んだままになってしまい、酸素や血液が届きにくくなり、皮膚や骨が萎縮してしまったり筋肉が痩せていく。

「指先に輪ゴムを巻いて遊んでいると段々と赤黒くなってピリピリしてきたことありますよね?私の場合は左右のつま先と右手の薬指と小指がいつもそのような状態になっている」と話してくれた。

両足のつま先の症状が一番強く、太ももに向かってだんだんと弱まってくるというが、つま先をついて歩けないため、家の中は歩行器、それ以外は車椅子での生活。

痛みの訴えがメインとなるので、悪い輩が詐病といった手段に出て保証金を受け取ろうとする事例があり、保険会社が病気と認めなかったり、骨の萎縮がレントゲンで確認できてもそうみえるように撮った、などと言いがかりをつけてこられたりもした過去も。

職場の上司からは「大げさ、痛がり」、
知識不足の医師からは「精神的なもの」で片付けられてしまい、自分自身の「感覚」を信じることができなくなってしまった。

ペインクリニック

ある時、大学病院を紹介され受診した。いつも整形外科で診てもらっているが、医師から
「整形外科でできることはやりつくしているからできることはもうありません。」と言われる。

「大学でできることはペインクリニック(麻酔科)とリハビリ科で慢性の痛みを研究している医師がいるのでそこにつなげることです。」と院内紹介をうける。

そこで「間違いなくCRPSです」と診断される。

そして、リハビリ科で研究している医師から
とても細かく診察をしてもらい、
本人の訴えと反応に矛盾がない、と
改めてCRPSの診断を受け、研究段階の治療法を受けさせてもらえることに。

「痛みはゼロになることはないけれど
今感じている痛みを和らげることは
年の単位の時間を要するけれど
必ず和らぎますよ」

と説明受ける。(理論上は寛解まで持っていけるそうなのだが、治療法として確立するにはまだ症例数が足りないらしい。)

地元の病院のカルテには
【当外来で最も治療に難渋している患者さんです】
と書かれていたり、大学病院でも、整形外科では重度のCRPS、と書かれていた。

ペインクリニックやリハビリ科のカルテは確認していなかったが、それぞれの科のDrの目が輝いていたので
相当興味を持たれているのだなぁ…と感じたという。

強い痛みの訴えの他にも
様々な症状があるが、最近では

説明のできない強い痛み=CRPS
となってしまっている。

子宮頚がんワクチンの副反応と言われている痛みも
CRPSと言われているので
婦人科を受診してCRPSがある、というと
とても気まずい思いをしたし、
「あ、精神(疾患)ね…」という扱いを受けてしまう。

血管が縮んでいるので、温めたら楽になるのでは?と温めると
今度は血管が拡がりすぎてしまって。
血管が拡がると、また「ケガがあるぞ!血を止めろ!」と
血管を縮める働きが強くなってしまったて余計に辛い。

皮膚の温度が冷たい方が何も感じなくなるので
しんしんと雪が降るような冬でも
素足にハーフパンツで大丈夫という・・・

今はやっと治療にたどり着いた、ということで、

家から大学病院までは、一般道で1時間半かかり、
車の振動も痛く、大学病院を受診することは
選択肢に含まれていなかったが、
もうできることがないから、と言われてしまい…

座って行くと振動が痛いので
後部座席に横になって、頭から背中にかけて低反発の足枕を入れて
乗り物酔いしないようにして通院しているが…
帰宅するとしっかり乗り物酔いしてしまっているんだとか。

でも、大学病院の複数の科で
間違いなくCRPSと太鼓判を押されたので
自分の感覚を疑わなくて良くなったとのこと。

「どれくらい長い時間かかって、寛解状態になるのかはわからないけれど。
コツコツと毎日を積み重ねて行って。気がついたらこんなこともできるようになってた」って言えたら良いな
と、思っています。

人のために

「先日、慢性の痛みを持つ患者さんの治療法を研究している先生に
正式に治療をお願いしてきました。
まだ研究している段階の治療なので
データを提供したり、研究発表に使うことに同意する書類にサインをしてきました。

14年ものの慢性疼痛(CRPS)患者なので
この研究中の治療法でどこまで回復するか?
先生のわくわく感が伝わってきましたし
わたしも両親も、どこまで回復するか楽しみな気持ちもあります。

とはいえ、長い時間かかって今の状態まで進行してしまったので
回復には年の単位の時間が必要になることは説明されているので、
コツコツとリハビリの課題を実施して行こうと思っています。

厚生労働省の慢性の痛み対策研究班で
研究している施設が
全国に26あるそうです。
いのちが尽きた際には、献体して
どこがどう変化してこのような病気につながったのか
徹底的に調べてもらって。
病気の解明につなげてもらいたい、とも考えています。

わたしの受ける治療は、無理のない範囲でからだを動かして
萎縮してしまった骨を強くすること。
とても痛みに敏感になっているので
「痛みの再教育」といって
微かな柔らかい刺激(高級タオルで撫でるなど)を与えて
脳に「大丈夫だよ」と教えること。
1年後の目標と、そこに向けての毎月の目標を設定して。
1日の行動、体調、リハビリで実施したこと
感情とその時に考えたこと
自分へのねぎらいのメッセージを
ノートに書くこと。
…になります。

お薬は現在、とても強いものを使っているので、
これ以上薬や注射はしないで
運動と認知行動療法というものを組み合わせたものになるそうです。

痛いから○○できない(例えば、痛いから外出できない)という考え方から
痛いけど○○できた(例えば、痛いけど家の周りを散歩できた)という
小さな成功体験を積み重ねて行って
痛いけどできる、という自信を持てるようにするのだそうです。

わたしは13年間、強い痛みと共にいますが
質問票の分析結果では
不安もうつもないし、痛いからできない
という考え方も
正常下限(30点までが正常のところ、31点でした)で。
長い間頑張ってきてるのに意外と気持ちの面では大丈夫なのだそうです。

その代わり、この痛みは安静にする痛みではないのだから、と
頑張って動きすぎて悪くしてしまっている患者だと、分析されました。

日々のリハビリの記録を見て
動きのペース配分を考えるのは、我々の仕事なので
絶対に無理しないようにしてくださいね。
レントゲンの結果、かかとの骨以外の
骨粗鬆症がとても強いので
疲労骨折してしまう可能性があります。
骨折したらマイナスからのリハビリになってしまうので
絶対に無理だけはしないでくださいね。
と、念を押されて帰ってきました。

10万人に2人から5人程度の割合で発病するそうなので
若手の医師は国家試験に出るから勉強はしていても
実際の患者さんに会ったことがなかったり。
わたしのような重症患者(どうやらそうみたいです)に会ったことがなくて。

…わたし、いつも通院している病院の現在の主治医と
コミュニケーションが取れていなくて。
言いたいことがあっても言えずに溜め込んでしまって
あることをきっかけにに診察中に号泣してしまって。
その1週間後、時間を取ってもらって話し合いをして。
1時間半、話を聞いてもらうことでようやく解決しています。

そのきっかけになったのは
「精神科を受診してほしい」という言葉でした。

この病気についての理解がそれほど深い訳ではない医師なので
痛がりがたが異常、と感じたようで。
身体症状症という精神科の病気で
原因がないのに症状が現れる、という病気があって。
その病気も合併しているのではないか?と考えられたようで。。。

絶対に違うってかなり頑張りましたが
わかってもらえず。
話し合いの時には泣いて話せなくなるから、と
思いを文章にまとめて、読んでもらいました。
そして、改めて診察してもらって
間違いなくCRPSだと言われたのですが
大学の精神科の受診もすることになって。

研究しているDr(リハビリ科のDrです)は
その文章と、質問票の分析結果、両方を知っているので
精神科受診を勧められて、違うってかなり頑張ったのに
わかってもらえなくて辛かったね。
精神科の適応はないのにね。
と、慰めてもらえて。

ちゃんと病気を深く理解している医師は
やっぱり違うな…と感じたという。

まだまだ知られていない病気なので
このような誤解が付いて回ってしまうのも
仕方のない事ではあるのですが。

わたしの経験したこと、わたしに出ている症状が
後に残念ながら発病してしまった方のお役に立てたら…と思っています。

拙者ができることはこんな形で紹介することぐらいしかできませぬが、世の中には色々な症状があり、悩みを抱えている人も思った以上に大勢いらっしゃるということを改めて気付かされました。K殿かたじけのうございました!!

・・・今日はこれにて鎖国!

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